Books

『亡国のイージス』福井晴敏

誰も見てないだろうということでコッソリ。 恥ずかしながら、実は福井晴敏の作品を今まで読んだことがなかった。 もちろん、名前を耳にする機会も多く、個人的に強く興味を持っていた作家だったのだが、悪い癖で、そういう「気になる」作家の作品ほど何故か…

『エピタフ』あせごのまん

短編3本の作品集。これまたE中さん提供。 「墓碑銘」 作者が長年書きたいと暖め続けていたネタだそうな。 確かに、妖怪やら民俗学やらを絡めたホラー物語のプロットとしては優れているかもしれない。 (ちょっと型にはまりすぎてる気もするが、この手の話で…

『ΑΩ』小林泰三

この世で最も過酷な仕事といえば某宇宙戦艦の第三艦橋のクルー、という笑い話がその筋ではあるそうだ(実際にあそこに人が乗ってるわけではないのだろうけど)が、高い能力とモラルを求められる一方でその待遇が明らかに割に合っているとは思えない仕事とい…

『僕僕先生』仁木英之

第18回日本ファンタジーノベル大賞・大賞受賞作品。 毎度ながら本の提供はE中さん。 日本ファンタジーノベル大賞と言えば、日本に数あるファンタジー系の小説賞の中で、唯一と言って良い「非ライトノベル」の賞で、相当真面目な文学賞だというのが私の印象だ…

『ヒカルの碁〜佐為編〜』

ジャンプを読まない人なので、当然この作品も未読だった。 しかし、序盤数巻あたりを読んだことはあったので、だいたいの設定と人物関係は知っていた所に、作品中盤のクライマックスである「塔矢名人VS佐為」の最初の部分だけ偶然連載を読む機会があって、こ…

『「御宿かわせみ」シリーズ14〜26巻』平岩弓枝

邪魅が非常にしんどい読書だった反動か、スイスイと気持ちよく読めるこのシリーズは心のオアシス状態。 14巻・15巻あたりからシリーズは「第二部」の様相を呈しているが、これが「第一部」よりもずっとエンタテイメントに満ちた作りになってきていて、益々好…

『邪魅の雫』京極夏彦

某所で見た作者インタビューでのやり取り(うろ覚えだが)。 「今回、益田や青木と言ったサブキャラクターが中心になってますが、これはどういった狙いで?」 『この程度の事件、彼らで十分でしょう』 まさにこれに尽きる作品。 「この程度の作品」、できれ…

邪魅

本を発売日に書店に買いに行くなんて、随分久しぶりのことのような気がする。 当初、昨年夏の映画公開にあわせて出るはずが、9月まで延期。 延期になったと思いきや、作者自身からの「9月発売なんて聞いてない、出版社が無理やり入れた仕事でヘトヘトなのに…

捲土重来

最近のゆでたまご先生は神がかっておられる。 正直、ビッグボンバーズが忘れられずにきっちり取り上げられただけでも、オールドファンには涙の海で溺れ死にそうなくらいのサービスなのに、この展開ときたら、もうね…(笑) このタッグトーナメント編に入って…

平岩弓枝『御宿かわせみ』シリーズ1〜13巻

子供のころ、水戸黄門や遠山の金さんなどといった時代劇を見ては、そのマンネリズムを嘲ったりしていたものだが、不思議なもので逆に最近はそうした定型文的な作りのドラマ(主に時代劇)の方を好むようになってきた気がする。 一つには、日本のドラマ事情が…

リバイバル

話題の巨人の星花形編を読む。 ……多分天国で梶原一騎が泣いてると思った。 いや、つまらなくはないんだけどね。 ただ、なんつーかこれは巨人の星じゃねーだろう、というだけで(笑) 「今どきの人には泥臭い努力をする星君より花形君の方が受け入れられやす…

占星術殺人事件

伝説的名作らしい、ということで前々から一度読んでみたいと思っていたのだが、Amazonにマリみてを注文しようとしたら「これもどうぞ」とオススメされたので、つい購入してしまった。 この作品は、作品そのものもさることながら、何と言ってもメイントリック…

森博嗣・Vシリーズ前半

黒猫の三角 シリーズ初っ端から「これってありなんか?」というオチ。 しかし、「シリーズ最初だからこそ可能だった」という意見の人も結構居るようだ。 どっちかというとシリーズの途中に「最も古いエピソード」と注釈つけて入れた方が効果的だったと思うん…

『ぶらんでぃっしゅ?』清涼院流水

うーむ。 「風呂敷を広げてそのまま引き裂いてしまう」とも称される(らしい)「御大」の大説としては、少々スケールが小さい話だった。 毎度毎度のラストの跳躍も、非常に控え目だったし。 ただ、その分「小説」としての出来が妙に上がっていた。 淡々と抑…

『水没ピアノ』『クリスマス・テロル』佐藤雄哉

むむむ。

『義経』司馬遼太郎

日本の歴史物創作の中には、例えば「新撰組」にまつわる諸作のように司馬遼太郎の作品を歴史書として扱って二次創作的に作成されたものが少なくない。 その結果、歴史上の事実とは異なるイメージの方が広く流布し、事実そのものを圧殺してしまうことすらある…

『ルー=ガルー 忌避すべき狼』京極夏彦

なんともはや難しい作品。 内容は到って平易。所謂90年代後半におけるオタク文化の代表的要素である「キャラモノ」と「内面モノ」を適当に詰め込んで消費されるミステリ小説を書いてみました、とでもいった感じ。 しかし、これを書いてるのが京極夏彦だと思…

『ダブルダウン勘繰朗』西尾維新

舞城王太郎の「九十九十九」が、私にとって「劇的なイニシエーション」とでも言うべき衝撃作であったため、ついその勢いで買ってしまった。 西尾維新は、以前E中さんから「クビキリサイクル」をもらって読んだ事があるものの、その後意図的に避けていた。 ク…

『アルスラーン戦記11・魔軍襲来』田中芳樹

『疾走!千マイル急行(上)』小川一水

E中文庫その2。 しかし、相変わらずE中さんのチョイスはよくわからない。 基本的に超がつくほどの乱読の人なので、これも特に選んだ理由はないんだろうけど…とりあえず、どうせなら下巻が出た後で頂戴したかった(笑)寸止めはせつない。 まぁ、こんなこと…

『エナメルを塗った魂の比重〜鏡稜子ときせかえ密室〜』

今更引っ張り出してきて感想を書いてみる。しかし、退化した記憶力ではもうほとんど内容を覚えていないので、微妙かもしれない。 第一印象としては、第一作である「フリッカー式」に比べて、格段に作者のレベルが上がっている感じを受けた。十分に個性を残し…

『九十九十九』舞城王太郎

読了。

『覚醒者』友成純一

E中さんから貰った本。 ちなみに、E中さんがくれると言う事とE中さんオススメであるということは必ずしもイコールではない。 エンタテイメント要素をすっぱりと切り落とし、ひたすらインドネシアの風俗紹介やアル中男の見る幻覚の中身などの記述に終始し、中…

『星界の断章I』

(早川文庫JA)" title="星界の断章 (早川文庫JA)" class="asin"> 性懲りも無く買ってみた。 軽い内容だったので気分転換にサラっと読み流した。 …これはヒドイorz とりあえず、ゴシック体で書かれてる短編は「星界」とは無関係ということで解釈して欲しい(実…

『フリッカー式』

予想してたよりは凡作だった。先に舞城王太郎を読んでるせいもあるか。 ただ、大塚センセ好みの若者であることだけはよくわかった。 「萌えの後を走ってたら気がつくと萌えの前に居た」 この作者はそんな感じなのだろうかね。 とりあえず鏡姉妹は割と萌え。 …

『今昔続百鬼−雲』

特に面白くもなくつまらなくもない。そんな作品。 京極作品には珍しく可愛い女の子が出ていた。影薄いけど。 イラストがふくやまけいこなのはどうなんだろう。いや、ふくやまけいこが嫌いなわけじゃないのだが。まぁ、肩の力抜いて読むべき作品だからそれは…

『獄門島』

とりあえず読んだ。

『続巷説百物語』

とりあえず読んだ。

『嗤う伊右衛門』

とりあえず読んだ。

『眼球綺譚』

ホラーはあまり好きではない。 特に理由は無いが、とにかくあまり「面白い」とは感じない。単に嗜好が重なってないんだろう。 ただ、ホラーには捻りの効いた構成に味のある短編が多いので、そういう作品は純粋に小説として面白いと思う。 この本だと、表題作…