ある非日常な日常

ふと、映画を見に行こうという気になった。

気になって、午前中から家を出て、駅まで歩いたところで、ようやく「何を見よう?」という問題にぶつかる。
そもそも、今やってる映画なんてほとんど知らない。「ハウルの動く城」ってまだやってたっけ?「エイリアンVSプレデター」は確か始まってるよな…
…などと立ち止まって考えててもしょうがないので、とりあえず関西Walkerなど見ながら行き先を考えることにする。

で、移動の手間と個人的興味から、ターゲットを二つに絞る。
定番というか捻りがないというか、「ハウルの動く城」が一つ目の選択。
もう一つは、昨日から公開が始まってるらしい「インストール」。

「インストール」と言えば、発売されたての頃に書店で「17歳」「女子高生」とかいうポップが乱立してるのを見て「出版業界も話題づくりに必死だなぁ…」なんて感想を持ったものだ。それが、気がつけば作者が芥川賞をお取りになられて、都知事からも強いお言葉を頂く時代の寵児におなりになられて、そのまま縁遠い存在になっていった本なわけだが。
それでも、なんとなく心惹かれるものがあったのは確かなわけで。

とはいえ、「作品は出版順に」「マルチメディアは原典から」という自分ルールが存在する以上、原作を読まずに映画を見るわけにもいかないだろう。
…と思う反面、あえて「ルール破り」をしてもいいような種類の作品だという内心の声がないでもなく。
あれこれと考えて電車のホームを行ったり来たりしてる姿(どっちを見るかで行き先が変わるのだ)は、どこからどう見ても不振人物そのもの。

…結局、最終的には妥協して、「ハウル」を見た帰りに「インストール」の原作を買って帰る、というプランになった。

ハウル」は今見なくても今後の人生で必ず見ることになるが、インストールは今見なければ一生見ないのは確実。
となると、貴重な二時間をわざわざ浪費する必要はないだろう、というのが判断の理由。…って、明らかに欠片も期待してないのがベースだな。こりゃ。