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日朝協議と別に食料支援 首相が党首討論で表明

 小泉純一郎首相は17日午後、岡田克也民主党代表との党首討論で、北朝鮮に対する食糧支援について「今回の(日朝実務者協議の)件とは別だ。国際機関を通じて出すべき時に出す」と述べ、日朝実務者協議の結果とは切り離して残り12万5000トン分の食糧支援を実施する考えを示した。

テレビでチラっとだけ見たけど、この件に関するやり取りでは小泉首相が非常に理性的で説得力のある(と、私の主観的には思える)論を述べていた。
たとえ相手が何者であっても、人道支援を行うことは(ましてそれが周囲から求められたものであれば)国際貢献として行っておくことが望ましいし、単独の武力にも国家間の協調体制にも裏打ちされない形で制裁行為をすることの意味が(国内世論の短期的自己満足以外には)あるとも思えない。
(裏づけを取って制裁しよう、という議論なら価値が無いわけではないだろうが…できないだろうなぁ)

それにしても、民主党岡田代表党首討論の技量は実に素晴らしいと思う。
あれだけ珍奇な言動の多い小泉首相が、党首討論であれだけ堂々たる振る舞いができるのは、岡田氏の絶妙のサポートがあってこそだろう。
時代劇の「斬られ役」専門の名優といった感じか。

最近の対北朝鮮に関しての議論は、小泉政権VSその他の主張がそれぞれにきっちり色分けされてて分かりやすい。二大政党制というのはまさにこういうものなのかもしれない。政党VS政党の図式でないのが残念だが。

いずれにしても、感情面ばかりが先走ってる今の日本の対北世論については危機感を持ってしまう。極東地域のパワーバランスを端的に反映している問題だけに、日本の国際関係の将来設計を明確に定めて取り組まなければ、手痛い失点をすることになりはしないだろうか。
一部には「拉致問題は人道問題で別格」という論もあるけど、平壌宣言でもわざわざ多くの文言をさいた「戦後補償」問題が北朝鮮では同じように語られていることは、忘れるべきではない。
(現在進行形で被害を受けている(そしてそれを解消し得る)人間の救済を最優先するべきだ、という言説であれば、大いに賛成するが)