『ブラザーフッド』

いや、久しぶりにいい映画を見た感じ。

韓国映画界の歴史を変えた」という売り文句も確かに大げさではない。
ハリウッド型大作映画の領域では、この監督の実力は今世界一かもしれんね。

戦争=人間性の放棄。
どれだけ「○○を守るため」という美名で飾ったところで、この原則だけは覆らないと思う。

だからと言って「目の前でレイプ事件が起こってる時に必要な行動は人間愛や理性を説くことではなく、暴力を用いてそれを強制的に制止することだ(by士郎正宗)」というのも一面の事実なわけで。

想像力という知恵の実の恩恵を受けた「人間」は、欲望が無限に肥大し得るという特殊極まりない動物。そして、動物は欲望を満たすためには他者を抑圧することに本来タブーを感じないものだ。
であるならば、「理性」というもう一つの特殊な特性が、どれだけそれを制御できるかどうかが、「人間」の品性というやつなんではないかと思う。

割と似たテーマで作られる慎太郎映画の内容が楽しみだ(笑)