おとぎ話

大阪市交通局というところがある。(名称が正しいかどうかは知らん)

その名の通り、市営地下鉄や市営バスを運行している部局なのだが、最近この交通局がPR活動の一環として自前の電車・バスに車載広告を打っている。(広告自体はいつだって何がしかは為されているので、それ自体は別段特記するべきようなことではない)

そのポスターは、日本の古典的おとぎ話を改変して、いかに交通局の提供しているサービスが素晴らしいものであるかを主張した、まぁありがちと言えばありがちな、実にヒネリの無い代物なのだが…
その、改変の仕方が、実にまぁ、なんというか…スゴイ。

『兎と亀』編

駈けっこの勝負をすることになった兎と亀。
足の速い兎はスタート直後のダッシュで亀との間に大きな差を作る。
しかし、慢心した兎は勝利を確信したのか、道半ばで昼寝を始めてしまう。

それを目にした亀。
最近市営バスが導入した「ノンステップバス」に乗り込むや、一気に逆転。勝利を手にしてしまう。
「ボクでも乗れる優しいノンステップバスのおかげで勝負に勝てたよ」

『鶴の恩返し』編

山で罠に掛かった鶴を助けた若者の元に、一人の美女が現れる。
美女は、毎日勤めに出る若者に、市営の公共交通機関の混雑を避ける上手い乗り方を教えてくれるという、大層ありがたいサービスをしてくれるのだが、何故か前の晩には奥の部屋に閉じこもってしまい、それを覗くことのないよう若者に強く申し渡してくる。

ある晩、興味を抑えきれずに若者は部屋を覗いてしまう。
そこに居たのは一羽の鶴。パソコンに向かってマウスを動かしているその鶴は、毎日交通局のサイトで情報をチェックしていたのだ!
ラクリが露見した鶴は、悲しんで若者の元を去るのだった。

……

…なんというか、全部台無しですやん!

恐るべし、大阪市交通局