二月の旅その1

寒。

今日からしばらく移動アリのお仕事。
電車の中で読む本がなかったので、仕方なく「空の境界」を再開。

2章目に入ると「月姫」の原型となった話が中心になり、懐かしさもあって前よりは読み進む速度がアップ。

奈須きのこ京極夏彦の影響を強く受けているという指摘を前にどこかで目にしたことがあった。
そう思って読んでみると、「セカイ系」の原型となったような一世代前のノベルゲームのテキストの風味と京極系のプチ衒学的風味の、ちょうど真ん中あたりに位置してる、という気がしてこなくもない。

実は、奈須きのこのテキストは個人的に必ずしも好きじゃない。
雰囲気を構築するためにかなり文章の「定型」を崩した「型」を取ることが多いのだが、表現語彙の水準がバラバラであったり、「地」となる平常シーンとの間のギャップが大きかったりで、全体的にチグハグな感じがするからだ。
ただ、そうした志向そのものは嫌いじゃないので、将来的にバランス感覚がより取れてくれば、怪奇小説の書き手としては面白いかとも思う。
とりあえず、菊地秀行くらい唯我独尊にスタイルを押し通せるくらいにはなって欲しいが。
まぁ、会社の方もあるから大変なのかもしれんけど。