「Jの神話」

Jの神話 (講談社文庫)

『なんじゃこりゃ〜!!!』

「…って松田勇作ばりに叫ぶこと間違いなし」という評判をメフィスト賞受賞作品の短評をしている某所で読んで以来、密かにこの作品への興味は強まっていた。

流水大説」が好きだという感覚が世間とはズレてる、という指摘をされることがしばしばある。

確かに、アレが際物の部類に属していることは認めるし、アレを他人に薦めようなどと決して思ってはいない。
しかし、裏読み・先読みを常に無意識下で行ってしまう(自慢っぽくて変な表現だが、それが結構当たってしまう)性癖がダンパーとなって、作品の持つ「感動」のエネルギーを十全に味わうことができない、という感覚を(それ(作品が実際にそんな力を持っているのか、という点も含めて)が事実であるかどうかという部分の議論はさておいて)常に抱いている私にとって、「明らかに非常識」と断じれるこれらのモノこそが、最も強く脳のInterestを刺激してくれることもまた事実なのだ。

そんな私だから、数あるメフィスト賞作品の中から、わざわざこれだけを引っ張り出してきて読もうという行為は至極当然のことである、と思う。

で、実際に読んでみた感想。

『なんじゃこりゃ〜!!!』

予想に反して、予想を裏切られる結果(意図せずに意図通りの結果)という、なんだかわけの分からない、それでいて十二分に満足を得ることの出来る不思議な感覚である。

(中断)