大河『義経』決戦!壇ノ浦

先週忙しくて見れなかったので、再放送を見る事に。

義経の電波っぷりと平家勢・頼朝・頼政藤原秀衡の格好よさの対比が、大河にしてはかなり面白い(製作者の意図は違うんだろうが)作風になっていて、ダメダメなんだけどつい見てしまう今年の『義経』。
ついに物語は、中盤〜終盤にかけてのクライマックスである壇ノ浦の合戦に。

NHKも事前に特集番組組んだり、かなりの気合の入れ方で臨んでいた今回の話だったが…
結論から言うと、「ダメだこりゃ」。

まず、この時代の海戦をリアルに描くと、絵的な派手さが今ひとつであること。
なにせ狭くトロい船の上での戦いなので、映画「天と地と」みたいなわーっと大軍がぶつかり合うようなカタルシスに今ひとつ欠ける。
また、基本的に作戦とか駆け引きとかが一切ない(潮の流れが変わって云々の件もほとんど描写なし)ので、なんとなくダラダラ戦ってるうちに決着がついてしまって、何故源氏が勝ったのか視聴者に伝わってこない。

さらに、今回の脚本の売りであった清盛夫人・時子の大策略についても、何を思ったのかこの土壇場に来て時子自身がその策略を二転三転させてグダグダにしてしまう始末。(これは痛かった!)
一応これは義経の妹の件と合わせて次回ゆっくりと「無常編」をやるための流れなのだろうけど、伏線としてはいかにももったいない。
史実との辻褄なんぞ大体合ってりゃ文句は言われないのだから、その辺もっと大胆にやってほしかった。

とは言え、阿部寛平知盛は期待通りのかっこよさ(武者姿のなんと似合うことか!)だったし、平家方の他の人たちもなかなかの演技であったと思う。(宗盛のドタバタはもう少し説明が必要だと思ったが)
一方で、源氏方は弁慶が発泡スチロールを投げてたくらいで、何やってたのかよくわからなかった。あ、梶原景時だけはいつもどおりで良い感じだったが。

しかし、義経が何故民間人の射殺という戦のタブーを犯したのか、その辺の描写はちゃんとしてやらんと、最近の電波っぷりは(個人的には楽しいけど)ヒドイと思う。これ、後半追い落とされても全然同情できんのですが。
まぁ、知盛との一騎打ちや八艘跳びはかっこよかったけどね。NHKの技術力万歳、って感じで。